東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』22

 群青の空に地上の全ての色が溶けていく海上都市の夕刻。 「法…王?」「金の力ですよ。法王も金の力には弱いようだ…」冷たく、わらった。
 「私はこれで失礼します…お目に掛かることも、もうない」黒革のケースを手にした。
 凝った装飾の施された象牙いろの高い柱に、据え付けられた黄金に輝く時計が、柔らかい音で、日没の時を告げた。
「どういう…ことだ」「私は只の使い走りです。用は済みました─これから重慶へ参ります」「わしをこんなところまで呼び出しおって…」 つめたい微笑がそれに応える。「ですから、単なる使い走りですよ。私はね…」背を向け扉に歩く。「なんだ…と? おまえ、どこから─」「…バチカン」扉は音も無く閉じられた。





 …………………… 
 ──「あ…少しだけ、いいですか」「…オ? プロポーズ? 嬉しいね」思わず照れ笑いになった。「─盗塁成功!」いきなり掴み掛かられる。 80㎏近いチャンミンの体が、木の葉のように、地面に転がった。
 …刄の上を滑った気がした。凍りついた土は、固い氷そのものだった。「ア…悪かった。力入れ過ぎた」ガッチリした手が、差し出された。(これが─特攻隊…!)


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