東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』23

 ─人懐っこい笑顔がユノを思わす。チャンミンより、ひと回り小柄だが、はじき飛ばされた時に感じた筋肉は、思いがけない強い弾力があり、中身が柔らかい感触だった。
 「…平気です」男は頷くと、給水場に向かう。灰色のTシャツを脱ぐ。筋肉が覆う身体が、冷気に晒された。
男もチャンミンも、白い息を吐く凍る空気の中だが、寒がる素振りもない。
 水道のコックを、捻切るようにひねる。…透明な水が、細く流れた。「おれはイ・ボン。白骨部隊にいた」「─それで…」チャンミンは男…イボンの身体を、見なおす。「ここはおれには南国よ。マイナス30℃の暮らしだったからな」イボンは愛嬌たっぷりのウインクをする。
 「ここなら、野球も出来そうだ…」冬の日暮れの淡々しい日差しは、段々と冷えた空気に、薄まっていく。「何しろ、雪と氷だらけ─」給水場の石に腰掛ける。「おれはロッククライミングも好きなんだ」「豪快ですね」「それで、写真撮るわけ」「あ、僕もカメラ好きで…」「共通の趣味あるね。野球もそうだろ、始球式で投げたもんな」立ち上がり、「おれからプロポーズしちゃおうかな」満面の笑顔を見せた。



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