東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』26

 ユノがテーブルでサインをしている時だった。─頬にチリチリと、視線を感じて頭を巡らす。…先ほどの二人連れ、─男女のカップル以外の客はいない。
 その二人連れに背を向けてテーブルを離れ、巨大なチェス盤の上を歩くような室内を扉に向かっている時も、風のようにさりげない視線が全身を捉えるのを、チャンミンははっきり感じた。

 ……………………
 夕方近くに、マンションに戻り、自分の部屋でディバッグに、短い旅行に出かけるようなパッキングをしていると、スマホがメロディーを鳴らし出す。─今まで、外で連絡を取り合っていた人物からだった。
 「来週? じゃ今週…1週間だけですね」─短い返答があった。バッグを背に、自室からキッチンに行く。丸テーブルの上に、厚く切ったフランスパン。それにパセリ、チーズと厚いハム、そして茹でた卵の輪切りがのせられ、ラップでくるまれている。ピクルスもあった。重ね合わせて、ハートに見えるピクルス。その傍らにデリバリーのフライドチキンもある。細長い便箋には、〈チャンミン。食事して行って。気をつけて、いつでも連絡して〉─と、あった。

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