東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』29

(チャンミン)スマホの声を、懐かしいものに聞いた。(今、いいか? 少しお前に訊きたい)「云って。ユノ─」(オレンジ色のワンピースの髪長くて、細い…はたち位で─そういう子、知らないか)「─名前は?」(わからない。入院してるんだ、彼女…)─ドアが軋みながら、開く…。「入院?」(今朝、街で倒れてたって。昨夜かららしい…)「誰なんだろう…。でも、どうして?」(チャンミン、て呼んで他は何も云わないって。…まだ意識ハッキリしないんだ)…ズルズルと、ドアの脇の壁にだらしなくもたれ、床に滑り落ちる。「そう─。家出かな、ファンの子が」(お前の名前は珍しくないし…別人かもな。でも彼女ひどく衰弱してて)「ユノ。警察は?」(病院で刑事と話した)「僕は見当つかないけど…」(俺もだ。彼女を見たけどね)─床でぶつくさ、寝言を云いゴロリと寝返りした。
「…思い出したら、連絡するから」(そうしてくれ。身元も判らない、栄養失調で彼女弱ってる…) ─「なに─ブツブツさっきからよ、…うるせって」スマホをもぎ取ろうとして、よろけ、「このヤロ…」チャンミンを粘っこい目が、睨んだ。  
 そのまま体をふらつかせ、ぶつかるようにのし掛かる。


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