東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』31

 猪を思わす鼻息、硬い肉の体…。暑苦しくなって、チャンミンが眉を寄せると、のし掛かる力が止まった。「あ…スイマ、セン─」絞り出す声が、情けない。 相手の顔を見上げると、慌てふためいて、チャンミンの体から下りる。「あ…と。すいません」また、謝り、項垂れ、ベッドの隅で、黙って木目の粗い床に、目を落としている。
 カーテンもブラインドも無いガラスの窓が、翳る。
 下の通りから、なにか割れた音と怒鳴る声─。「オレ、…」いったん黙り、「…えっと─」考え事をするように首をひねると、「え─あ…。─ユノ、その…ユノさん好きで」「…あ、ハイ?」身を起こして応えると、「そ…そうだから」更にベッドのきわに、肉厚な体を寄せた。
 「そうだったんですか、ユノじゃなくて…ガッカリ?」ブルブルと震えるようなかぶりを振った。
 「借金…返す代わりに…あいつそう云うから」「借金…」「何年も前から─いちども返さない─借りるばかりでさ─」 閉じたままのドアを、ちらと見た。
「あんなのに、貸したオレが馬鹿で─」息を吐くと、「それこんなことで…チャラにしてくれなんて云われて、ノコノコ来ちゃって」…黙り込んだ。


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