東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』39

 ─「お電話で急に、お会いしたいとユンホさんに無理を申したのも─チャンミンさんのことなのです」ユノの瞳が微かに動いた。「…その前に、お伝えすることがあります」カフェ碗を置くと、「あの娘を、私どもが引き取りました」髪の影で、ピアスが煌めいた。「あの娘…」「今は、私のところにおります」「引き取られた…お知り合い─ですか」一瞬、瞳を伏せ、「いいえ。でも─あの娘の為にも、一切を受けることにしました」「─今朝、病院に電話して、退院したときいて…そうでしたか」ユノに頷き、「あの娘。ほとんど眠ったきりで、何も判らないようです」俯いた。
 「─チャンミン。あの娘が呼んだ名─ユンホさんのチャンミンさんでした…」傍らの青年に向け頷く。彼は口を開き、「私、今日あの路地裏に行きました。最初に見つけた店のボーイに会いました」向き直ったマリィは、「ボーイはあの娘が、ユンホさんの名前も呟いたというのです」ユノに告げた。「それきり、意識を失ってボーイは慌ててしまって…。でも少し経って思い出して、気になっていたそうです」…………
 ─ソウルの街中にあるとは思えない、静けさが、辺りを、押し包む……。





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