東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』33

 紙コップを手にしたまま、「けどさ。…なんでこんなこと?」下を向き、「除隊したらしいってきいたけど、しばらく歌ってなくても、あんたならキレイだし…」また黙った。
 「─約束あるんだ。人探してる」「人って…」怪訝な顔が向けられる。「入隊前にある人から頼まれて…軍隊でも探した。ここには最近会った人に紹介されて─」「軍隊?」チャンミンの言葉が、終わるより早く、男が云った。「どうしたの」濃い灰色のTシャツを、黙って脱ぐ。
 「…見てくれよ」肩の辺り、背中…脇腹にかけて、皮膚が変色している。「これ、殴られた跡─?」「顔も頭もだよ。腕なんかホラ…」指のかたちのどす黒い痣が、野牛のようなゴツい腕の表面に、点々とついていた。
 「これ誰に?」Tシャツを頭にかぶりながら、「つまんない野郎でさ─」ハッとためいきを吐いた。「おれがスマホをそいつの方に向けてたら、勝手に写真とるなだってよ。…それで殴りかかってきて、あのキチガイ野郎─」また、吐息をはく。 
 「写真…とったって」「とっちゃいないんだよ。スマホが自分に向いた気がしたんだろ、勘違いして…短気なヤツ…スマホも壊しやがった」闇が忍び寄る時が、近づいた。



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