東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』35

「うん、探してる」「アラ。…何?」暗がりに、紫に見えるルージュの唇を、すぼめ流し目をチャンミンにおくる。「あの、トイレどこですか」「こっち、よ─」 マニュキアの指はごつい。「─ね…」含み笑いをする。「待てない? もう…若いわァ」─ビリッと白のドレスが、裂けた。「アタシのッ─! …やだあっ」真っ白いサンダルのピンヒールが、ドレスの裾を踏んでいる男の出っ張った腹に、食い込む。高いヒールの蹴りに、呆気なく後ろに倒れた男を、脇にしゃがみこんでいた二人連れが力任せに押しやる。
 「おネェさん、ほら可愛い坊ヤが逃げちまう」「邪魔すンじゃないよ! ガキのくせにッ」破けたドレスをたくしあげ、血相を変えた。「うるせェな! 淫乱!」丸めた紙クズが、金に染めたロングヘアに当たった。「アンタら好き勝手しやがって… 死にな!」白いドレス姿が、暗がりを舞う巨大な蛾になった。

 (どこも同じだ。こういうとこって─ユノ…)乱闘騒ぎに背中を向け、チャンミンは歩き出す─。(何年前? ふたりで、マイアミで遊んだのは─)………………………

 ──(これバナナ、ですよね)(おもちゃだけど本物ソックリ、な?)(ナイト・TIMEバナナ? じゃお昼…は? …ね?─)




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