東方神起BL小説Ⅵ『果実のない街』38

 ─コンクリート色の壁が上へと、吸い込まれて行く。「ユンホ様。どうぞ」背丈はそれほど高くはないが、敏捷そうな身体つきの青年が、歯切れ良い口調で云うと先に立ち、ユノを案内する。
 ─ガランとした空間は、屋根が高い。「お入り下さい」小さな脚立のような段を登ると、濃い色の厚い覆いが幕のように下がっている。かなり大きなトラックの荷台らしい。幕の中に身体を入れる。
 「お呼び立て致しました。私がマリィです」ぽっかりと空いた荷台の奥から、声が掛かる。
 …雌獅子がユノを優雅な眼差しで見つめていた。


 
 …青年がカフェ碗をユノの傍らの小箱の上に置く。アーモンドの温かな香りがした。「召し上がって…ユンホさん、どうぞ」頬に柔らかな表情を浮かべ、カフェ碗をしなやかな動作で取り上げる。
 ─意志の強さを思わす顔立ち…肩近くまでの髪は明るいブラウン。「お会いするのは…今夜が二度めですね」カフェ碗を手にしたまま、ユノが首を傾げると、「チャンミンさんは、お気がつかれたようでした」小さく唇が微笑むだけで、大輪のバラの華やかな表情になる。「…あのレストランで─」 やや離れて、控える青年が頷いた。



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