東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*25

「…兄さん」「ミハル」デュポンとミハル兄弟が睨み合う。「兄さんがそんな顔するって初めてだね」「…ミハル、…─」いきなりミハルを殴りつける兄のデュポン。「…兄─さん…?!─」床にふっ飛ばされ、唖然とデュポンを見上げるミハル。「ミハル、お前は俺の最愛の弟で─」ミハルにゆっくり近寄り見下ろしながら「タム家の厄病神だ」ミハル、兄を見つめ立ち上が…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*24

 ────………─ (─ア、兄…さん、──あ……ダメ、─です…そこ…は─…)ベッドから身を起こす─外から薄明るい光が、少しだけ部屋の中を、照らす。 チャンミンは何かに追われるかのように素早く辺りを見渡す。…兄さんの、ジフンの夢…兄さんを、止めようとして─それで…うっすら汗ばむ額にサイドテーブルから淡いパールピンクのタオルを取って、押し…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*23

 「ユノ帰っちゃったから…ミハルお前そこ座れよ」どっしりした衣装箪笥が相変わらず部屋を暗くし、威圧感さえある場所。ジフンとふたりで過ごすのにチャンミンは部屋の暗さも心地良かった。「兄さんこそ、真ん中で…どうぞ」ジフンはユノの為に空けた席にかけた。 チャンミンはスマホで下のティー・ルームに飲み物の届けを頼んだ。「モイラ従姉さんも来てれ…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*22

 ジフンの顔を見上げたユノに「片方だけど、あげるよ、その銀に合うピアス─」問いかける瞳のユノに「片方失くしちゃったピアスで…その髪と合うのあるから。次の時に持ってくるよ」ぎこちなくユノは笑い「じゃ、─楽しみにしてます」「─ユノ」若いアシスタントが呼びかけた。「…失礼します、カメオの時また、─お世話になります」「お茶くらいと思ったけど─復…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*21

 両手を打ち付けるような仕草のヤン監督が入って来た。急に、広いホールが、狭く感じられる。  大柄のヤン監督は、ジフンと向き合うユノを見つけると「握手─」二人の手を取り、自分も大きい手を重ねた。  「もう握手も挨拶もしました」すました顔で、ジフンが云うと、「そうか。兵長どの…」肩を軽く叩き「─カメオ頼む!」大造りな顔立ちが、綻んだ…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*20

 「本職の人の前で、─照れるけど」作り物のように形の良い指を、ジフンは鍵盤に、のせる。ガンヒが贈った指輪が古びたピアノの鍵盤の上で輝く。「ホテルもピアノも古いですね」隣に座るチャンミンはジフンの横顔に云った。「兄さん、何弾きます?」黙って口元に少し笑みを浮かべ指先を軽く白い鍵盤に触れさす。  チャンミンが呟く…「─ワンモア、…ナイト─」…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*19

 辺りは少しずつ、薄紫の色合いに、変わってゆく。夜明けの東の空のようだった。「レラ兄さん、撮影どうです?」「お陰様で相変わらず生傷だらけ…」レラは濃い茶のローファーの脚を伸ばし、腕組みして苦笑いする。「ユノ、こっちもカメオ演るか?俺、絆創膏を用意しとくから」顎に手をやり、さらりとレラが云う。  笑顔になったユノに「もう、仕事復帰して……
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*18

 目の前に指輪が差し出される。「似合うと思うの、ふたりに。兄弟役の記念よ」あっさりしたデザインだが、光がある指輪を見ながらガンヒは云う。「従姉さんのお店のもの?」すぐ中指に指輪を嵌めて、ジフンが云う。「参考商品よ。シンプルで良いでしょう」「…従姉さん、有難う」指輪を自分も中指に嵌めるチャンミンを嬉しそうにガンヒは見る。あどけない少女の表…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*17

 奇妙な明るさでマネージャーは「そりゃ、お前が心配なんだよ、…ユノは」取り繕うような口ぶりだった。  「…2年、ひとりでやって来ました」前を見据え、チャンミンは云う。マネージャーは話の先を促すように黙っている。  「─要らないです」「…何がだ」今度はチャンミンが黙ってしまう。マネージャーが何か云いかけた。「…いつまでもふたり一括…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*16

 車の窓の外を眺めていたチャンミンは車内に響くように鳴り出したスマホに「…はい」低い声で、答えた。「─チャンミン?」どういう訳か、ユノの声に返事をするのが、億劫だった。  「何か…用ですか」「今─撮影?…」車がカーブを曲がる。「今向かってます」 素っ気ない声に、運転席のマネージャーが怪訝な顔で、バックミラーを見た。  「─手紙のこと…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*15

 台本から顔を上げたチャンミンはスマホを手に取った。 (本物の兄弟みたいね‥って─)ガンヒの言葉を思い出す。 優しく微笑みを浮かべた唇…(どんな我儘でも無茶云ってもフワッと雲みたいに包んでくれそうで‥)(メールより話したい今─デュポン兄さん?って…)時刻を確かめ、通話に切り替えた。  …ドア・ホーンが鳴った。  ユノが…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*14

 ─そう云いながら凝った造りの取っ手を引っ張った。…開かない。「鍵が掛かってるらしいよ。全部そうみたいだ」隣の取っ手を引っ張りながら、ジフンが云う。 「全部?開けてみたの?─厳重ね、中身何かしら」真珠色のワンピースのガンヒはあちこち覗き込むように並んだ衣装箪笥を見比べるとクラシカルな装飾の扉を軽く叩いた。「人間だって入れそうよ」 …
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*13

 ─短い休憩が終わろうとしている。  口元に小さな笑みを浮かべて、スマホを椅子に置いたバッグから取り出すジフンに視線を戻したチャンミンは「あの兄さん…、僕とふたりの写真撮って下さい」顔が赤くなるのを感じた。  「良い記念になるね。明るい方へ行こう」気軽にチャンミンを部屋の奥に誘う。  灯り取りの窓からの白い光を受けたジ…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*12

 「チャンミン‥ミハル─」「─あ、…デュポン‥兄さん‥?─」 皿に残ったコールド・ビーフを見ながら「─残す?貰っていいかな。俺、肉好きなんだ」「‥そうですか、どうぞ」チャンミンが皿の向きを変える。  フォークでコールド・ビーフを突き刺しながら「ミハル。コーヒーは?」「自分で淹れます」頷き、「砂糖とミルク、俺使わなかったから良かった…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*11

「ミハル─」急に少し甘い小さな響きの声で呼び掛けられる。  戸惑い顔のチャンミンに「ヤン監督、撮影以外でも役名で呼び合えって‥」楽しそうに云いながらオレンジのデザートにスプーンを入れる。  「じゃ僕は‥デュポン兄さんと‥呼ぶんですか」「─で、時々兄弟ケンカしろって」思わず、食事の手を止めて目を丸くしたチャンミンに「今の台詞は…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*10

 ドアを開けると思ったより薄暗い空間だった。  こちらに視線を向けたジフンが「先に始めちゃってご免ね」手を止めて、云う。  テーブルにつこうと部屋の奥に行く。奥まったその先に灯り取りの窓があるらしい、白っぽい光が射し込んでいる。  両壁にヨーロッパの王宮を思わす大仰などっしりとした衣装箪笥のような家具が整列したよう…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*9

その高笑いは彼の機嫌の良い証拠だ。 「全部の責任はオレだから、やりたいようにやってくれ」スタッフのひとりがテラスからヤン監督を呼ぶ。「強化ガラスの幅なんですけど─」 大柄な体を身軽に動かしてテラスの扉に走り寄る。 「ま、文句云ったらキリない‥。─おっ!風強い‥」ヤン監督は大きな体をガラスの上で縮ませる。  地上4…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*8

パイプ椅子から立つと、ジフンはヤン監督に頭を下げる。 大柄なヤン監督は呆れたようにジフンを見たが、スタッフたちに向きなおる。「…ま、喧嘩のシーン、‥でテラスに転げ込んで─」  「喧嘩のシーン、転んじゃマズイですよね」ジフンはちらっとチャンミンの顔を見て、今度は横を向いてまた小さな声で笑い出した。  両肩を振るわせて、ま…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*7

「調整つけばカメオで出演って云われてるけど、‥アクションで怪我の連続のレラ兄さんに‥悪いな、でも楽しみ」朗らかな口調のユノに軽いため息まじりに「除隊して変なファンレターに、ファンミーティングも控えて忙しいな、でも俺の現場に見学にも来てくれよ」メルセデスは大きな橋を渡り止まった。  「気をつけてな、ユノ。‥チャンミンは俺がいつでも面…
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東方神起BL小説Ⅳ*悪魔のファンタジー*6

気づかわしそうなチャンミンに笑顔を送りながらユノは話し続ける。  「嫌がらせ。イカれた自称ユノファン」レラは前を向いたまま言葉を投げて来た。  「マネージャー、事務所に話したか」「今日話す。その前に二人に聞きたい」メルセデスは少し減速した。「‥チャンミン。お前ホン読み永登浦だろ‥回ってやるよ」「助かります‥朝早いのに─」 「今日は…
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